戸隠神社は御本社奥社、九頭龍社、中社、日の御子社、宝光社の5社よりなり、太古の昔より 水の神として信仰されてきた九頭龍大神(くずりゅうのおおかみ)と、古事記上巻の岩戸開きの段で ご活躍された神様方がお祀されております。
奥社の参道は入り口のサカサ川から奥社まで森林植物園に沿って、長さ1.9kmの直線歩道で 高山植物と野鳥の観察には絶好の場所、多勢の自然観察の人たちが訪れています。
入り口の大鳥居から900mの随神門までは道路も平坦で容易に歩いていかれます。この間は両側の樹相もツガや、 ウラジロモミの針葉樹とブナやトチノキの広葉樹が混交し、明るい樹林の中をたくさんの野鳥と、水芭蕉や キンポウゲなどの花が観察されます。
随神門が近くなると、次第に針葉樹が多くなり、遂には完全な老杉の参道となり、道も勾配を増してきます。 随神門の手前では遊歩道が交差して右へ進むと牧場に通じるささやきの小道が、また、左へは天明稲荷を経て 鏡池に通ずる植物園内の遊歩道となります。
差し込む日光が線になって見え、静寂が支配する坂道をしばらく進むと杉並木が終わり、トチノキの広葉樹林を 通して奥社と戸隠山の岩肌が見えてきます。僅か2km弱の参道で、いろいろに変化する植物の観察ができるのも 魅力のひとつです。